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アレルギー性鼻炎
くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状いずれか、もしくはすべて当てはまる場合はアレルギー性鼻炎の可能性があります。「通年性」は季節に関係なく1年中アレルギー症状があり、「季節性」はスギ、イネ科、ヒノキ、ヨモギ、ブタクサ、シラカンバなどの花粉症と呼ばれるものが代表的な症状になります。
アレルギー性鼻炎は、遺伝特性もあることから、アトピーや喘息などの他のアレルギー疾患との合併があります。
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嗅覚障害
嗅覚障害には、においを感じることができない「嗅覚脱失」、においを感じにくくなる「嗅覚減退」、少しのにおいでも過敏に感じる「嗅覚過敏」、においを臭く感じてしまう「嗅覚錯誤」などがあります。
嗅覚障害の治療は、早ければ早いほど良いとされています。目安として、発症3か月以内に治療を開始すれば嗅覚障害の半分以上は良くなると言われています。
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味覚障害
嗅覚障害には、味を感じなくなる「味覚減退」、何も口にしていないのに味を感じる「自発性味覚異常」、ひとつの味覚だけわからなくなる「解離性味覚障害」、本来の味とは違った味に感じる「異味症」「悪味症」などがあります。
味覚障害の治療は長期にわたる場合が多いと言われています。目安としては3か月程度ですが、長い方は数年かけて治療していく場合もあります。その一方で、原因や症状によっては2週間ほどで治るケースもあります。
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鼻声
鼻声は、鼻が詰まった声(閉鼻声)をイメージすることが多いですが、鼻に音が抜けすぎる鼻声(開鼻声)もあります。いずれも疾患の治療をしない限り、自然に鼻声が治ることはまずありません。原因となる疾患をしっかり治療することが大切です。
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いびき
気になるいびきの原因は「睡眠時無呼吸症候群」かもしれません。睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に繰り返し呼吸が止まる(無呼吸状態)病気です。デスクワーク中にうとうとする、いびきをかいていると言われる、体重が増えて顔つきが変わったと言われる、朝起きると、口の中が乾いているなどチェック項目がありますが、気になる方は一度お越しください。
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鼻中隔彎曲症
鼻中隔の彎曲の仕方は人によって違います。鼻中隔の彎曲の具合が軽度の方は症状がないことが多く、日常生活に支障がなければそのままで問題はありません。一方、鼻中隔が重度に彎曲している場合は、鼻づまり、鼻出血、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など様々な症状が引き起こされます。
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鼻血
鼻血は、鼻腔の「キーゼルバッハ部位」から出血することで発症します。ほとんどの場合は、指で鼻の両側からつまみ10分ほど圧迫すると止まります。もし、鼻を圧迫しても止まらない場合や、鼻血を繰り返す場合は早期に受診してください。
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鼻茸
鼻茸とは、鼻ポリープとも言われる副鼻腔粘膜、鼻腔粘膜に発生する炎症性増殖性の腫瘤です。鼻茸を持つ患者さんの多くの方が、鼻づまりの症状を感じており、味覚障害や後鼻漏、頭痛の症状が出ることもあります。
鼻茸を放置してしまうと、大きくなりすぎて鼻の穴から出てしまったり、鼻の形が変形することもあります。
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舌下免疫療法とは!?
スギ花粉症(シダトレン・シダキュア)・ダニのアレルギー性鼻炎(ミティキュア)の治療法!
ご存知でしょうか?
アレルギー性鼻炎(花粉症・ダニ)
治療の種類花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)・ダニのアレルギー性鼻炎(通年性アレルギー性鼻炎)の治療法としては、対処療法と根治治療に大きく分けることができ、対処療法・根治治療それぞれにおいて数種類がありますので、以下にご紹介いたします。
対処療法
薬物療法
- 初期療法
花粉が飛散する1~2週間前から薬を服用し始めることで、花粉飛散期の症状を軽減することができます
【1】花粉が飛び始めると現れる症状(鼻水・くしゃみ・鼻づまり・目のかゆみなど)の出現を遅らせます。
【2】花粉の飛散量が多い時期(対象となる花粉の種類によって時期が異なります)の症状を軽減します。
【3】初期療法を行うことで併用する薬の量や種類、回数を少なくすることができます。 - 投薬療法
花粉が飛散した後に出る症状に合わせ薬を服用することで症状を軽くします。花粉症・アレルギー性鼻炎であるほとんどの方がこの治療法です。
症状に合わせた薬を飲むことで症状を軽減することができます。 ただし、服用する薬の種類によっては眠気や口の乾きなどの副作用が現れることがあります。
手術治療
- CO2レーザー治療
鼻の粘膜に出力の弱いレーザーを照射し粘膜を焼灼することによって、アレルゲン(花粉や家のホコリ、ダニなど)に過敏に反応する粘膜の感受性を低下させアレルギー反応を軽くする治療法です。
症状が大きく改善する効果が期待でき、通常1~2年程効果は持続します。ただし、薬の効きが人によって異なるように効果が持続する期間も人によって異なります。また、粘膜が元に戻れば、花粉症の症状が再び現れる可能性があります。再度レーザー治療を受けることはできます。
根治治療
- 原因抗原の除去と回避
日常生活において、アレルゲンから回避、又は除去することで症状を軽くすることができます。 例えば、スギ花粉などの花粉が原因の場合、外出時にマスク・メガネを着用する、洗濯物を外に干さない、こまめに掃除をする等が挙げられます。ホコリやダニなどが原因の場合にはこまめな掃除や空気清浄などが挙げられます。
日常生活において、こまめにアレルゲンを避ける・除去する行動をすることで症状をかなり軽くすることができます。但し、日常生活で気をつけながら意識して行う必要があるので継続することが難しいこともあります。
- 抗原特異的免疫療法・舌下免疫療法
花粉・ダニに対して免疫を徐々につけていく治療法であるため、他の治療法と比較した場合、長期的にわたって治癒が期待できる治療法です。
免疫をつけていくことにより体質が改善していき、症状が現れなくなることもあります。但し、治療期間が長くなり、場合によっては副作用を引き起こす可能性があります。
抗原特異的免疫療法を簡単に説明すると、アレルゲン(アレルギー反応を引き起こす原因物質)をごく少量から体内に投与し、少しずつ量を増やしながら免疫がつくように期間をかけながら繰り返し行い、アレルギー反応が起きないように体を慣らしていく治療法です。
根本的な体質改善を期待する方法としては、「舌下免疫療法」があります。舌下免疫療法
(スギ花粉症対象・
ダニアレルギー性鼻炎対象)以前までは自費診療として実施されていましたが、臨床試験が行われ有効性が認められたため2014年10月から日本で保険診療でのスギ花粉症に対する舌下免疫療法が開始されました。ダニのアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法に関しては2015年から保険適用となりました。治療法の内容は、アレルギーを引き起こす原因物質であるスギのエキス【シダトレン】(現在は、錠剤のものもあります。【シダキュア】)を舌下(舌の裏)に滴下(錠剤の場合は保持)して体内に入れていきます。低濃度のエキス(同様のエキスを含んだ錠剤)を少量から開始し、少しずつ増量し、高濃度に移行していきます。滴下を開始してから3週目以降は同量のスギのエキスを毎日舌下に滴下することを続けていきます。治療期間としては3~5年必要になってきます(個人差があります)。
ダニのアレルギー性鼻炎は、【ミティキュア】という錠剤(ダニ・ハウスダストによるアレルギー反応を引き起こすアレルゲン成分を含んでいる錠剤)を体内に少しずつ入れることで体を慣らし、過剰反応を抑えて症状が出ないようにしていきます。
※ダニアレルギー性鼻炎(通年性アレルギー性鼻炎)の舌下免疫療法の初期導入(初めてミティキュアによる舌下免疫療法を開始する場合)も当院で対応しております。ご希望の方はご相談ください。
舌下免疫療法による効果
- くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状改善(軽くなる、または消失する)
- 涙目、目のかゆみの症状改善(軽くなる、または消失する)
- 花粉シーズンのアレルギー治療薬の減量(効果によっては使用しなくてすむ)
- 花粉シーズンの日常生活が楽になる(QOLの改善)
- ダニのアレルギー性鼻炎の場合、通年を通して症状の改善
舌下免疫療法のまとめ
シダトレン
(スギ花粉)
液体シダキュア
(スギ花粉)
錠剤ミティキュア
(ダニ)
錠剤投与方法 舌下に含む 舌下に保持 投与場所 自宅
(初回のみ医療機関)痛み なし
(口に含むため)副作用 ほとんどなし 治療期間 3~5年 治療効果 7~8割の方が改善 舌下免疫療法(シダトレン・シダキュア・ミティキュア)はこのような方にお勧め
- スギ花粉・ダニのアレルギー性鼻炎の症状を軽くしたい、もしくは完全に治したい(根治したい)とお考えの方
- 治療期間が長くなったとしても、スギ花粉・ダニのアレルギー性鼻炎に対するアレルギーがなくなることを強く望まれている方
- 飲み薬や点鼻薬を使用してもあまり効果がない(症状が軽くならない)方
- 口の乾きや眠気など飲み薬の副作用がひどい方
- レーザー治療を行っても症状が改善しない方、または、レーザー治療以外の方法を望まれる方
舌下免疫療法(シダトレン・シダキュア・ミティキュア)を行うにあたって
ご理解・知って頂きたいこと- アレルギーを引き起こす原因物質がスギ花粉・ダニである場合の治療法であるため、その他のアレルギー原因物質に対しては効果が期待できません。つまり、スギ花粉症専用のエキス(シダトレン)又は、スギ花粉症専用の錠剤(シダキュア)、ダニのアレルギー性鼻炎専用の錠剤(ミティキュア)の投与になりますので、その他のアレルギー症状を引き起こす原因物質である、ハウスダスト、ヒノキ、カモガヤ…などには効果は望めません。
- 複数のアレルギーを持つ方、アレルギー症状が重篤な方に対しても根治ではなく、効果に限りがあることをご理解ください。
- 舌下免疫療法を行ったからといって、実施した全ての患者さんが完全に治るわけではありません。
以下のいずれかがあてはまる方は治療を受けることができません。
- 6歳未満の方(小児の方)
- 重度の気管支喘息の方
- 飲み薬や点鼻薬を使用してもあまり効果がない(症状が軽くならない)方
- スギ花粉・ダニが原因物質である鼻炎ではない方
- 悪性腫瘍(がん)や、免疫系の病気がある方
以下のいずれかがあてはまる方は治療に際して注意が必要です。
- アレルゲンを使った治療や検査、またはスギ花粉を含んだ食べ物によりアレルギー症状が起きたことのある方
- 気管支喘息の方
- 高齢の方
- 妊婦中の方、授乳中の方
- 抜歯や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
- 重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
- 他に服用中のお薬がある方(非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬 etc.)
- 全身性ステロイド薬の投与を受けている方
- スギ花粉・ダニ以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方
舌下免疫療法(シダトレン・シダキュア・ミティキュア)の具体的な流れ
治療開始時期
安全性の観点から、舌下免疫療法(シダトレン・シダキュア)は、スギ花粉の飛散が始まる直前や花粉シーズン(花粉飛散時期)に治療を開始することができません。(治療を開始している場合は花粉飛散時期でも薬の滴下・錠剤の服用をしていただいても大丈夫です。)
治療開始時期は6月~11月の間にスタートになります。(12月~5月の間に治療を開始することはできません)
ダニの舌下免疫療法であるミティキュアに関しては通年を通して治療を開始することができます。
投与する間隔
舌下免疫療法を実施開始した場合、毎日舌下(舌の裏)に薬(シダトレン:スギのエキス、または、シダキュア:スギの錠剤)を滴下してください。ダニの舌下免疫療法の場合も同様です。
スギ花粉の舌下免疫療法に関しては、スギ花粉が飛散していない時期も毎日投与していただく必要性があります。ダニの舌下免疫療法に関しても毎日の投与になります。
治療期間(滴下持続期間)
最最低でも3年以上は治療を継続していただくことになります。治療期間の目安としては、3~5年必要になります。効果が見られたとしても薬の滴下(錠剤の服用)を自己判断で止めないようにご注意ください。
治療費の目安
治療費は、診察料+アレルギー検査(採血)+お薬代です。お薬代の目安としては、3割負担の方で年間11,000円ほどになります。
耳鼻咽喉科医からのメッセージ
「スギ花粉症(ダニのアレルギー性鼻炎)が完全に治る治療法=舌下免疫療法」と思われている方が多くいらっしゃいますが、スギ花粉(ダニのアレルギー性鼻炎に効果が見込める錠剤)のエキス(錠剤)を舌下から体内に入れていき、徐々に体に慣れさせることでスギ花粉症・ダニのアレルギー性鼻炎の症状を軽くしたり、発症させなくする治療法が舌下免疫療法になります。
もちろん舌下免疫療法は、スギ花粉症・ダニのアレルギー性鼻炎がほぼ完治する場合もありますが、決して全ての方が・・・(有効・効果が見られる)というわけではありません。また、6歳未満の方(小児)は舌下免疫療法を行うことができません。これはスギ花粉症(シダトレン・シダキュア)・ダニのアレルギー性鼻炎(ミティキュア)ともにです。
- 治療を継続しやすくするためのコツ
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① 毎日薬を舌下に滴下(錠剤の服用)するタイミングを1日の中で決める(例えば、朝に歯を磨く時、お風呂を上がった時etc.)毎日の滴下(錠剤の服用)になるので継続することは難しいと思われるかもしれませんが、歯磨きと一緒です。日常生活の習慣にすることで、無理することなく治療を続けることができます。
② 1ヶ月に1回通院する曜日を決める(第1週目の土曜日etc.)
- 花粉シーズンは毎年症状が本当につらいから何とかしたい。
- 花粉症は完全に治らないかもしれないけど、一度頑張ってみたい。
- 1年を通してアレルギー性鼻炎の症状(鼻水・くしゃみ・鼻づまり)を軽減させたい、何とかしたい。
- 治療期間が長くなったとしてもつらい花粉症・1年中のアレルギー性鼻炎の症状から解放されるかもしれないなら舌下免疫療法をやってみる!
などなど、もっと詳しく知りたい・実施しようと思われる方は診察時にご相談下さい。
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